2010年11月06日

「一粒のぶどう」

◇一粒のぶどう

ある不治の病の女の子の話です。

一歳の時から入退院を繰り返して、五歳になりました。
様々な治療の甲斐もなく、ついにターミナルケアに入りました。
もはや施す術もなく、安らかに死を迎えさせる終末看護、 それがターミナルケアです。

冬になり、お医者さんがその子のお父さんに言いました。

「もう、なんでも好きなものを食べさせてやってください」

お父さんはその子に、何が食べたいか、ききました。

「お父さん、ぶどうが食べたいよ」と、

女の子が小さな声で言いました。

季節は冬、ぶどうはどこにも売っていません。
でも、この子の最後の小さな望みを叶えてやりたい。
死を目前に控えたささやかな望みを、 なんとか、なんとかして叶えてやりたい。

お父さんは東京中のお店を探しました。 思いつく限りのお店、あのお店も、このお店も、、、、、、 足を棒にして、探し回りました。

でも、どこのフルーツ売場にも置いていません。   最後に、あるデパートのフルーツ売場を訪ねました。

「あの…、ぶどうは置いていませんか?」

祈る気持ちで尋ねました。

「はい、ございます」

信じられない思いで、その人のあとについて行きました。

「こちらです」と案内されたその売場には、 きれいに箱詰めされた、立派な巨峰がありました。

しかし、お父さんは立ちすくんでしまいました。 なぜなら、その箱には三万円という値札が付いていたのです。
入退院の繰り返しで、そんなお金はもうありません。 悩みに悩んだ末、必死の思いでお父さんはその係の人に頼みました。

「一粒でもいい、二粒でもいい、 分けてもらうわけにはいきませんか?」

事情を聞いたその店員は、黙ってその巨峰を箱から取り出し、 数粒のぶどうをもぎ、小さな箱に入れ、 きれいに包装して差し出しました。

「どうぞ、二千円でございます」

震える手でそのぶどうを受け取ったお父さんは、 病院へ飛んで帰りました。

「ほら、おまえの食べたかったぶどうだよ」

女の子は、痩せた手で一粒のぶどうを口に入れました。

「お父さん、おいしいねえ。ほんとにおいしいよ」

そして間もなく、静かに息を引き取りました。

*     *     *     *

有名な話なのでご存知かもしれませんが、 聖路加病院に入院されていた患者さんと 高島屋の店員さんの実話であることを最近知り、 深い感銘を受けました。


「いい話の広場」より。


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また泣いてしまった。
高島屋が好きになっちゃいましたw。

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